パウダー、バックカントリーに必要な道具
①最も重要な「三種の神器」の役目
雪崩捜索に必要なビーコン、ゾンデ、ショベル
本格的なバックカントリーエリアでパウダーを楽しむためには、揃えていくべきアイテムがたくさんあります。その中でもビーコン、プローブ、ショベルは雪崩捜索に欠かせない最重要アイテムで「三種の神器」とも呼ばれています。ここではそれら3つの道具がなぜ必要なのか、その役割についてご紹介します。
持っていないと仲間を助けることができない
ビーコン、プローブ、ショベルが「三種の神器」と呼ばれる理由は、誰かが雪崩に巻き込まれたときに、その人を助けるのに欠かせないアイテムだからです
。
何よりまずビーコンを受信モードに切り替えて埋没場所を探し、次にプローブを長く伸ばして雪面に刺し、埋没者のいる場所を特定し、その後ショベルで掘り救援します。
つまり、三種の神器を持っていなければ、自分が埋まったときに助けてもらえないだけでなく、仲間が埋まったときに助けることができないのです。
例えばみんなでバックカントリーツアーに出かけるときに、誰かがこれらの道具を持っていなかったとすると、当然周りの人は「あーこの人は自分のことを助ける気がないんだな」と感じてしまいます。
自分はもちろん仲間にもしものことがあった時のためにも、三種の神器はいち早く手にしておきたいところです。
ビーコンについて
使い方を理解し、練習しておく必要がある
雪崩に巻き込まれた場所を特定させるのに不可欠なビーコン。通常は送信モードにセットしておき457kHzの周波数で無線信号を発信しています。ビーコンを受信モードに切り替えることで、送信モードになっている他のビーコンの場所を特定できますが、ビーコンが発する信号は独特なため、事前にビーコンの使い方を正しく訓練しておく必要があります。ビーコンをつけていない埋没者を見つけるのは極めて困難で、その場合の生存率はほぼゼロに等しいと言われています。
埋没したビーコンを最も簡単に探せる「電波誘導法」。受信状態にあるビーコンは、送信ビーコンの電磁気力のラインと平行になったときに強いシグナルを発する。まずはビーコン左右に振り、もっとも強いシグナルを発する方向を探す。その強いシグナルを追いながら、電磁気力の曲線ラインに沿っていくことができれば、受信ビーコンにやがてたどり着く。
プローブについて
①埋没場所をさらに特定する探り棒
プローブは遭難者がどこに埋まっているかを見つける探り棒です。ビーコンで埋没地点を特定し、折り畳み式のプローブを伸ばして雪面に刺し、ショベルで雪を掘り埋没者を捜索します。
捜索者が4人以上いるときに有効な3点プローブ。手を伸ばし、指先が触れあうくらいの間隔で一列に並び、刺す穴の間隔を60cmに保ちながら、左、真ん中、右の三点を順番に刺していく。全員がまっすぐ一直線に並んでいるか、刺す穴は等間隔か、を確認しながら進んでいく。いわゆる「粗いプロービング」なので、埋没者がいる可能性が高い場合や。見落とした可能性がある場合はもう一度プロービングする。
スコップ、ショベルについて
埋没者を掘り出すのに欠かせないショベルは、雪質チェックや雪洞作り、時にジャンプ台製作にも重宝します。ショベルの柄を取り外してリュックの中に入れておくのが一般的です。