[ライダー情報]村上大輔
百戦錬磨の勝負師の今シーズンはどんな感じ?
DAISUKE MURAKAMI
@札幌ばんけいスキー場
「ダイキ」の愛称で親しまれ、ソルトレイク、バンクーバー五輪やTOYOTAビッグエア、日産X-TRAILなど、数多くの国際的コンテストで活躍してきた村上大輔君。
温厚な普段の表情からは想像もつかない男前の突っ込みと、ここ一番の勝負心でコンテストを盛り上げてきた2児のパパは、ここ数年は日本屈指の大会AIR MIXにも積極的に出場し、度肝を抜くビッグエアで「ミスターAIR MIX」と称されるほど記録にも記憶にも残る素晴らしいライディングを披露し続けています。
国際的なコンテストの第一線からは退いているものの、今なお数多くのスノーボーダーに影響を与え続けているダイキですが、今シーズンはどのように活動していたのでしょう?
ここ最近の彼の動向を探る上で欠かせない「さっぽろ盤渓スキー場(BAN.K)」にて久しぶりに再会したダイキ君に、今シーズンの活動ぶりを聞いてみました。What's up Daiki!?ダイキ調子はどう!?
7SAMURAIのルーツ「さっぽろ盤渓スキー場」
BAN.Kで久しぶりのセッションを楽しむSAMURAIクルー
「僕らが一番最初に出会ったのは、実はここ盤渓なんですよー」
盤渓スキー場のチェアリフトでそう話してくれたのは、ダイキもメンバーの一員である最強クルー「真七人侍 (まこしちにんざむらい)=7 SAMURAI」の中心的ライダー、原田将臣くん。
ちなみに「真七人侍 」の「まこ」とは真駒内スキー場(現在は閉鎖中)のこと。
7 SAMURAIは真駒内のハーフパイプで切磋琢磨しあった7人によって結成されたのは有名ですが、彼らが一番最初に出会ったのは実は真駒内ではなく盤渓スキー場だったそうです。
盤渓スキー場で出会った若き日のSAMURAI達はその後、真駒内のハーフパイプで本格的に練習を開始し、メンバーのうち4人ものライダーがオリンピックに出場。
(國母和宏、中井孝治、村上大輔、村上史行。工藤洸平も含めると5人!)
そして今シーズン、彼らのルーツともいえる盤渓スキー場(ban.k)に、札幌市内としては実に8年ぶりとなる、待望のハーフパイプコースが誕生しました。
このBAN.Kハーフパイプを手掛けたのが、ダイキと弟の史行君(フミオ)、そして父である隆一さんの、村上ファミリーなのです。
村上ファミリーが造り上げた国内最大のハーフパイプ
今年1月に待望のオープンを果たしたBAN.Kハーフパイプは、全長180メートルとFIS公認のパイプとしては国内最大の規模。壁の高さは5,6メートル、コース斜度は17°と比較的飛びやすいサイズで、2016年にはワールドカップ開催地に、翌2017年には冬期アジア札幌大会のハーフパイプ会場になるそうで、これらの大会を標準に今後どんどんパイプの精度を高めていくのだそうです。
昨年秋からコース造成を進め、雪が降り出してからは父親の隆一さんが重機で本格的にハーフパイプを製作。できあがったパイプを実際に兄弟が滑り、さらに細かいスペックを調整。満を持して1月のオープンにいたったんだそう。15年以上のキャリアを持つ重機使いの父と、五輪出場経験を持つ息子達の手によって造られた最強のパイプは、本当にきれいで飛びやすく、今後札幌のスノーボーダーにもたらす影響は果てしないものといえるでしょう。
「盤渓から世界に通用するスノーボーダーをもっと増やしたい」
そう話すダイキの、パイプでの飛びっぷりは「あんたこそ世界で通用するでしょ」と思わせるほどの高さと洗練されたトリックが印象的でした。
FSアーリーウープWITHジャパングラブ
キッズ対象のレッスンを積極的に開催
またダイキはここ数年、レッスンやコーチにも積極的に力を注いでおり、特に今シーズンはキッズを対象にしたレッスンを積極的に開催しているそうです。
「子供は上達するのが早く、教えていてすごくオモシロい。スピントリックもみるみる習得していくし、「先生720やってよ」なんてあおってくるので、自分もいいとこ見せようと、レッスン中も意外とプッシュできるんです(笑)」
2度の五輪出場経験を持つダイキは、ソチ五輪の時にはナショナルチームのコーチングも担当。的確なアドバイスとその人柄のよさは、キッズにスノーボードを教えるには最適の人材なのでは?
BAN.Kで頻繁にレッスンを開催するかたわら、北海道新聞が主催するキッズ対象の「ホワイトスクール」の「雪育先生」としても尽力。明るい未来のスノーボード発展のために日々コーチングに励んでいるそうです
。
かつては闘志あふれる百戦錬磨のコンペティターとして君臨し、今でも圧倒的存在感を放つプレイヤーとして活動するダイキ。さらには北海道のハーフパイプシーンの発展に惜しみなく貢献し、次世代のスノーボーダーを育成。
久しぶりに会ったダイキは相変わらずのヤバい滑りで、我が道をぶれることなく突き進んでいる気がしました。
日本のスノーボード界の鏡ともいえる素晴らしい活動と、ファミリーで手掛けるドリーム・ハーフパイプの躍進に、今後も目が離せません!
村上大輔(むらかみだいすけ )
身長166cm 体重65kg
レギュラースタンス
スタンス幅57cm 角度 前18° 後ろ-9°
sponsor:K2, X-NIX, ピースプランニング, ANON, DEFCON, NIXON, O'RANGE, GET UP,