スロープスタイル種目の競技説明と見所紹介
スロープスタイルとはコース内に設置されたジャンプアイテムやジビングアイテム(レールやボックスなど)を使ってトリックを披露していく競技です。同じ領域に複数のアイテムが設置されていて、選手達はそれぞれ好きなアイテムを選びながら独自のラインで魅せていきます。要するにスノーボードパークがそのまま大会のコースになったような競技ですね。ここではソチオリンピックで使用されたコースを例にスロープスタイルの見所をご紹介します。!
【イラスト出典】FISオフィシャルサイトl
ソチ五輪のコースはどんな感じだった?
ソチで使用されたのは、まるでスノーボードゲームに出てきそうな、独創的なコースでした。 全長635m、幅25〜30m、コース標高差151mの斜面に合計6つのセクション。 はじめの3つは、複数のジブアイテムが融合された独創的なセクション、残りの3つはリップ(飛び出し口)が2つある2WAYキッカー。 実際にコースレイアウトを順に見ていきましょう。
スタート〜1番目のセクション
のっけから度肝を抜く独創的なアイテム群
スタートするや否や思わず目を疑う独創的なジブアイテムが出現します。左側にはレッジのようなボックスがふたつ。レッジとは、階段の脇についている幅広の手すりのこと。小学校なんかに石のレッジがよくついていますね。中央から右側には形の異なるレール(いわゆる手すりですね)が3つ。ど真ん中にはなぜか直角に向いたレールもあります。中央のレールをこするためにはこの90度に向いたレールをジャンプして越えなければなりません。、このレールを避け、形状が上を向いているアイテム(一番左のレッジや一番右のレールなど)を使ってスピードをつけるのが無難なのでしょうか。いずれのアイテムも実際の映像を見ると非常に長いです。のっけから想像力をかき立てる非常にクリエイティブなアイテムですね。
2番目のセクション
大技ジブトリックが期待できるハイレベルなセクション
2つ目も思わずはてなマークが出てしまう奇抜なセクション。よーく見ると大きく3つのライン取りができますね。 まずは右側。リップから雪のボックスにまたがった架け橋レールをこすり、さらに前方のジブアイテムをこするというオーソドックスなライン。次に左側。ベーシックなフラットレールです。 中央のリップの前には、実際の映像を見ると、短いレールのようなものが真横に置かれていました。これをジャンプして越えた後に前方のレールアイテム群にヒットするラインです。チョイスするレールの本数も多く、レールトリックを得意とするライダーにとっては高得点を叩き出せるのがこのセクションではないでしょうか。
3番目のセクション
粋なアイテムでスピードはグングン加速
その先に待ち構える3つのジャンプに繋げるための、スピード加速セクションといったところでしょうか。左のレールも右のボックスも上を向いていますし、アイテム3つに大してリップが5つもついていますね。好きなリップから好きなアイテムにヒットし、アイテムをヒットしたあともスピードが加速するものばかりです。
4〜6番目 3連ジャンプセクション
トリプルコークや超高回転スピンを拝めるメインディッシュ
独創的な3つのセクションを終えると、いよいよお待ちかねのジャンプセクションに突入します。いずれのジャンプも20mクラスの巨大なサイズです。ジャンプ同士の間隔は非常にタイトで、ジャンプの着地がそのまま次のジャンプへのアプローチになっているためかなり忙しく、着地した後にすぐさまスピードコントロールを行うことが不可欠です。ここ最近のジャンプトリックの進化には目を見張るものがあります。ダブルコークはもはや当たり前のトリックで、一部の選手たちはトリプルコークを各地のビッグエアコンテストで披露しています。スロープスタイルではビッグエアの大会と違い、ジャンプは3つあるので、ダブルやトリプルを織り交ぜた難易度の高いトリックをバラエティ豊かに観戦することができるでしょう 。