スイッチバックサイド720(コーク)
軸はなぜずれる?どうずらす?
高回転スピンでは回転軸がずれるのは珍しいことではありません。むしろあえて軸をずらしてスピンのスタイルに変化をつけていくのも面白さの一つです。または逆に、回転力を付けていく上で体軸が意図せず ずれていく場合もあります。そもそも軸はなぜずれていくのか、どうずらしていくのかを、スイッBS720を例に考えていきます。
一連の流れでスピンをどう安定させる?
- 早抜けしてもオーリーは必ず掛ける
- ジャンプの軌道は崩さないように
- 空中での頭の入れ具合で回転軸は操れる
- 早めの着地確認がランディングをより安定させる
上の写真では、コウタローは後ろ足の踏み切りのタイミングがやや早く、上半身の先行動作を早めに入れています。いわゆる「早抜け」です。早抜けは本来、横っ飛びやコントロール出来ない回転力を生み出してしまいますが、コウタローはリップを抜ける時に体軸の位置は守りながらオーリーをしっかり掛けているので、空中姿勢をスムーズに保つことが出来ています。厳密には早抜けは避けたいところですが、数多くのキッカーを飛ぶ中で仕方ないと言えば仕方ないことなのかも知れません。早蹴りしそうになっても慌てずに、しっかり後ろ足を真上に踏み切ることが大切です。
踏み切りの時に早抜けし、スピンの先行動作が強めに入っていると、空中での軸ずらしはより楽に行えます。ただしエアのピークまでは、板は上に上がろうとする力が働いていますので、無理に体を動かそうとせず、まずは下半身をお腹側へ引き付けるようにしましょう。
フラットスピンの場合の回転中の目線は、真下を見下ろすようにスピン方向へ送り続けることで、体の軸が立ったままフラットにスピンを維持出来ます。一方で軸ずれスピンの場合、目線を頭ごとスピン方向へ倒してしまうことで、新たな視界のルートができ、回転が近道をするかのように軸がずれていくのです。
軸がずれても目線の先行は止めずに、出来るだけ早くランディングポイントを確認していきましょう。着地する雪面が早めに見えれば、より安定して着地体勢にに移れるのです。軸がずれた瞬間に頭の中が真っ白にならず、積極的に回転をリードしていくことが大切です。見えた雪面にボードを合わせていくために、積極的に上半身を前へかぶせて、上体が遅れてしまわないように努めましょう。