ホットワックスのかけ方(実践編)
いよいよソールにワックスを塗ってみよう。
ワックスに必要な道具が揃ったら、いよいよ実際にワクシング
にチャレンジしてみましょう。
※ホットワックスは人それぞれ独自のこだわりやテクニックがあると思いますが、ここではワックス初心者にも分かりやすいように、基本的なやり方をご紹介させていただきます。
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Niseko NUTS,マツモトワックス,Kassun
①まずはブラシでソールの汚れを取り除こう
最初にナイロンブラシを使おう
ナイロンも馬毛も、基本的にブラッシングの方法は同じです。ソール面にブラシ面をしっかりと当てて、均等に力強くブラシをかけていきましょう。上手くブラシが掛かれば、前回滑ったときの汚れや、ワックスのカスがかき出てくるのを実感出来るでしょう。ソール全体を、辛抱強くブラッシングしていきましょう。ブラシでも落ちない頑固な汚れは、リムーバーを使って落としていくと良いですが、その場合ベースワックスも再度かけるようにしましょう。
次は馬毛ブラシで細かい粒子をかきだす
こちらは馬毛でのブラッシングです。馬毛はナイロンでは取れない細かい粒子を取り除くことが出来るので、ワックス前だけでなく、ワックス後の最後の仕上げにも重宝するでしょう。
②ソールにワックスを付けていこう
ソールが汚れのないピュアな状態になったら、いよいよアイロンでワックスを染み込ませていきましょう。(さんざんブラシをかけても汚れが落ちないときもこの行程でクリーニングワックスをかけてみましょう)
少ない分量でより効果的にワックスをかけるために、まずは固形ワックスをソールに擦りつけていきましょう。擦り付けた跡を確認しながら、ソール全体にまんべんなくワックスを付けていくと良いでしょう。
次にアイロンにスイッチを入れ、温まる間の熱を使って固形ワックス溶かしながら、さらにソールに擦り付けていきましょう。ワックスを溶かし、液状になった状態からすぐにソールに擦り付けると上手くいくでしょう。
さらにはワクシングペーパーに溶かした固形ワックスを垂らしておくことで、次の行程でワックスがより染み込みやすくなるでしょう。もう少しワックスを付けたい人はアイロンに当てながらソールに直接垂らしておくと良いでしょう。
③アイロンでワックスを塗り込もう
いよいよメインイベントに突入
アイロンを掛ける前の下準備ができたら、次はいよいよ実際にアイロンを使ってワックスを塗り込んでいきましょう。
アイロンの温度は90度〜120度くらいの間で設定し、室温に合わせて上げ下げすると良いでしょう。アイロンから白煙が出ているときは、設定温度が高すぎる証です。ソールを焼いてしまう恐れもあるので、温度を下げて少し待ってからアイロンをかけましょう。
利き手にアイロン、もう片方の手でワクシングペーパーを持ちながら、アイロンをソールに水平に当ててワックスをかけていきましょう。板のノーズからテールに目がけて、直線方向にアイロンを動かしていきましょう。アイロンが通った跡を見ながら、ワックスがしっかり染み込んでいるかどうかを確認していくとよいでしょう。アイロンを当てる速度があまりにも遅すぎると、ソールにダメージを与えてしまう可能性があるので気をつけましょう。
ワックスが塗れているところと、塗れていないところとの違いは一目瞭然です。もしアイロンが通った場所のワックスが染み込んでいない場合は、設定温度が低いかアイロンをかける速度が速すぎるか、もしくはソールにワックスが付いていないかのどれかです。塗り残しが無いように再度アイロンを当てておきましょう。
同様に、ソールのセンター部分、逆サイドも、ノーズからテールに掛けて丁寧に塗り込んでいきましょう。雪面には接していないノーズ部分とテール部分ですが、酸化防止のため、もしくはノーズマニュアルや5-0のためにも、念のため塗っておくと良いでしょう。
④ワックスを剥がして仕上げよう
あともう少し!妥協せず頑張りましょう!
ワックスをソール全体にまんべんなく塗ることが出来たら、スクレーパーやブラシを使って最終仕上げを行っていきましょう。
クリーニングワックスはまだソールが温かいうちに(目安は5分)、ベースワックスは完全に冷めてから、滑走ワックスはできれば滑る直前に、スクレーパーを使って余分なワックスを削いでいきましょう。スクレイパーの角を立て、ノーズからテールに掛けて一直線に動かしていくと良いでしょう。カスが出なくなるまで、忍耐強くスクレーピング作業を行っていきましょう。
「項目その③」でご紹介したように、スクレーパーの後にはナイロン、馬毛ブラシを使って最終的な仕上げを行っていきましょう。スクレーパーでこれ以上カスが出なくても、ナイロンブラシを使えばまだまだソールの細かい溝に貯まったワックスのカスが出てきます。さらには馬毛ブラシを使えばもっと細かい粒子が取れて、ソールにツヤも生まれてくるでしょう。