スノーボードのワックスの種類
用途に合わせて必要なワックスを選ぼう。
スノーボードのワックスには様々な種類があります。固形や液体、ペースト、粉状などワックスそのものの種類から、生塗り、ホットワックスなどかけ方の種類まで多種多様です。ここでは各用途ごとに必要なワックスの種類とその効果についてご紹介します。
生塗りワックスとその種類
手軽で時間もかからない!でも持続効果が短い
生塗りワックスとは文字通り、ワックスを生でソールに塗り、コルク等で擦って熱を加えて染み込ませていく手法です。ものの5分もかからず手軽にワクシング作業を行えるのが特徴で、時間のないときや、何ならスキー場についてからでも行えるのがメリットです。その反面、ワックスの持続効果は短く、半日もかからずにその効能は終わってしまいます。
ホットワックスの後に行う、鬼に金棒的な生塗りの仕方もある。
アイロンを使ってワックスを塗り込んだ後で、さらにワックスを生塗りして滑走効果を高める、いわゆる「スタートワックス」的な生塗りの方法もあります。ボーダークロスやワンメイクなどの各種大会に参加してみる時や、滑走中に「ちょっと板が走らないな」となった時、ホットワックスされたソールにさらにワックスを生塗りすることで、その効果がさらに増大します。
生塗りワックスの種類
①スプレーワックス
ソールにスプレーし、付属のコルクを使って擦り込むタイプのワックスです。非常に簡単で簡易ワックスとも呼ばれます。ゲレンデの売店にも売られいるくらい一般化していますが、持続効果は短いので滑る前にプシュ、休憩の度にプシュとその都度塗るのがおすすめです。スプレータイプはものによっては全く効果のない粗悪品も多いので、できれば信頼できるワックスメーカーのものを選びましょう。
②ペースト状ワックス
液体スプレーワックスと同じく簡易的に塗ることができるのがペースト状のワックスです。スポンジで必要な分だけを削ぎ取り、ソールに塗ってコルクで伸ばしていきます。液体と同じく持続効果は長くありません。スプレータイプに比べてあまりかさばらず、携帯用としても便利で一日に何度も塗りやすく作られています。
またペーストワックスは簡易ワックスの他に、フッ素高含有のスタートワックスもあります。
③固形ワックス生塗り
固形ワックスはアイロンで溶かして塗る以外にも、ソールに擦り付けて滑走効果を一時的にアップさせる生塗りとしても用途もあります。特に春先は雪の汚れがソールにべったり付くので、リュックにブラシと固形ワックスを忍ばせ、ブラシングして汚れを取っては生塗りする、という手法がかなり効果的です。
ホットワックスとその種類
手間がかかる分、効果もてきめんのホットワックス!
アイロンを使って行うホットワックスは、ろうそくのろうのような固形ワックスをアイロンで溶かし、ソール面に染み込ませていく手法です。当たり前ですが液体やペーストワックスはホットワックスには使用しません。ホットワックスは手間も時間も必要ですが、その分滑走効果は生塗りに比べて格段に長く、時期やコンディションにもよりますが一日以上は余裕でその効果が持ちます。
ホットワックスで使うワックスの種類
①クリーニングワックス
非常に柔らかて熱に溶けやすく、粘着性分も含有されたワックスで、ソールに染み込んだ汚れを浮き出しスクレーパーをかけて滑走面をきれいにすることができます。クリーニングワックスと一緒にワクシングペーパーを使用すると、浮き出た汚れをさらにきれいに取り除くことが出来ます。リムーバーで取れない汚れもとることが出来ます。「クリーニングのためにワックスをかけるなんて面倒」と言わずに、結構気持ちよく汚れが取れるのでぜひ行うようにしましょう。
②ベースワックス
文字通り、滑走面の下地を作るためのワックスです。引き続きソールの汚れを取りながらも、滑走ワックスの持続性能を高めてくれる効果があります。実はスノーボードのソール表面には、細かくて見えない毛穴のような無数の穴が存在します。ベースワックスはこの穴にパラフィン分子を浸透させて、滑走面をより摩擦の少ない、ワックスの馴染みやすいベースに仕上げていくのです。ベースワックスにも種類があり、分子構造の小さなワックスから何度も塗っていくことで、より強靭な下地を作ることが出来ます。
③滑走ワックス
滑走ワックスは、撥水性を高めてソールをより走りやすくするフッ素が含有されたワックスのことです。値段が高ければ高いほどこのフッ素がより多く含まれていることが多いです。滑走ワックスは滑る場所の温度帯により種類が異なります。一般的には暖かいときのベシャ雪には柔らかいワックス、寒冷地では固いワックスを塗ります。しっかりクリーニングワックス、ベースワックスを施したソールはこの滑走ワックスの性能も高まり、効果もより持続します。フッ素が多く含まれた滑走ワックスを塗るときにワクシングペーパーを使うと、ペーパーにフッ素がとられてしまうで、滑走ワックスを塗るときはワクシングペーパーを使わない方が望ましいでしょう。