目を見張る独創的なセッション
何本かのチェックを終えた後いよいよ本格的なライディングがスタート。
ものの数回でコツを掴んだ中井は次から次へと完成されたハンドプラントを繰り出す。時にグラブを変えた、安定感ある滑り。あ、正直に話すと、僕も数本トライしたけど、トリックのイメージが沸かず、潔くカメラに徹することにした。中井はいとも簡単に何度もメイクしてるけどね。カメラアングルを変えてもお構いなくスタイリッシュなトリックを連発。
進化していくケイト劇場
一方のケイトはというと・・。始めはやや躊躇ぎみ。何度かのトライの後、木を駆け上りながらのBS180アウトをメイクするものの、何やら納得のいかない様子。どうせならインパクトのある一発を決めたい!その気持ちがひしひしと伝わるくらい、何度も泥臭く木に突っ込んでいく。ヒヤッとする落ち方をしても心が折れず、何かをずっとイメージしている。何てガッツのある男なんだ!
そうしていくうちに、早い段階でメイクしていたBS180アウトの軸がどんどんずれていく。回転数も増え、いわゆるアーリーチャックのようなスピン軸に。木を駆け上ってからのこの軸はものすごいインパクトがある。回を重ねるごとにトリックは進化。まさにケイト劇場。でも木とリップのつなぎ目は、一度通ると雪がはがれ落ち、こまめに雪を敷かないとテイクオフ前に板が詰まってしまう。それが原因でやられても、勝ちん気全開でトライするケイト。その合間に中井が、雪を敷き直しケイトをねぎらう。そしてとうとう・・
らしさ溢れる、何とも不思議な木とのコラボレーション。普段はみんなを和ますムードメーカー、ケイト。だけどひとたびスノーボードを履くと、ゴリゴリで攻め攻め、泥臭くも不屈の闘志が、見ているこっちも熱くさせる!
セッションが終わる頃には山の雪の固さなんてとっくに忘れて、中井の洗練されたハンドプラントと、ケイトの熱い滑りにすっかり魅了されました。
雪質、天気が悪くても、遊び心と発想力、時に泥臭いまでのガッツが加われば、斬新でクリエイティブなライドができるんだなと、カメラ越しに改めて思いました!