ビンディングの硬さ、柔らかさで滑りはどう変わる?
一歩踏み込んでビンディングを選ぼう
ボードとブーツをつなぐビンディングはパワー伝達に欠かせない大切なアイテム。ここではとりわけビンディングの硬さが滑りにどう影響するかを考察します。ご自身のライディングレベルや滑りのスタイルにあった、最適なモデルをチョイスできるようになりましょう。
※ビンディングの基本的な選び方
※ビンディングの各部名称とその役割
そもそもビンディングの硬さは主にどこを指す?
ビンディングの「硬さ」といえば「ハイバック」と「ベースプレート」を指すことが多いです。
ハイバックの硬さを知るには実際に手でハイバックを掴み、左右や前後にひねってみるとよいでしょう。 柔らかいハイバックはグニャグニャと簡単に動かせる一方で、硬いものは少し力を加えただけではピクリとも動きません。実際の滑走中にハイバックにかかる負荷は、手で加えたときよりはるかに大きいので、遠慮せずに力を加えてみましょう(くれぐれも壊さない程度に・・)。
ハイバックの硬さで滑りはどう変わる?
そもそもハイバックの主な役割は、ヒールサイドターン時にエッジへの力の伝達を助けること。ふくらはぎまで覆われたハイバックに力を加えることで、ロスなくかかと側のエッジへパワーを伝達させることができます。ターンだけでなく、キッカーでのアプローチやスピントリックの踏み切り、グラトリなど様々な場面で、ハイバックはパワー伝達に一役買っています。
柔らかいハイバックの場合
ハイバックが柔らかいと、それだけ足元に自由がきくので、低速スピード時でもボード操作を簡単に行うことができます。
初心者のターンの練習、グラトリの出だしやプレスで有利になる他、キッカーでのグラブのポークや空中姿勢をより大胆に表現できるはずです。またパウダーでも、ボードコントロールをより楽に行えるでしょう。
硬いハイバックの場合
ハイバックが硬いと今度は、ボードへパワーを伝えるときの反応がよくなります。ハイスピード時でも力の伝達が確実に行え、足元の安定感も増すでしょう。カービングやハーフパイプ等、微妙なエッジ操作に左右されるジャンルにおいて硬いハイバックは、その威力を十二分に発揮するはずです。また高速フリーランやビッグジャンプでも、硬いハイバックはかなり頼りになります。
反対に低速時にはボード操作がやや難しくなります。余分な力もエッジに伝わりやすくなり、思わぬ逆エッジを招く恐れもあるので注意が必要です。
ベースプレートの硬さで滑りはどう変わる?
ベースプレートの役割は、雪面からの衝撃を緩和させながら足裏からボードへパワーを伝えることです。極端な話、昔「ベースレスビンディング」という、ベースプレートのないビンディングがありましたが、これは足裏からパワーをダイレクトに伝達できる分、衝撃も全て足裏に返ってくるというものでした。近年のビンディングは反応のよい素材をベースプレートに用い、透明なパッドを加えて衝撃吸収を図っています。
柔らかいベースプレートの場合
ボードを踏み込んだときの力の伝わり方が、硬いベースプレートに比べるとゆっくりで遊びがあるので、低速時のボード操作を余裕を持って行うことができます。初心者、グラトリに向いていると言え、またパウダーでも足裏の感覚をより敏感に感じられるので、多くの人が柔らかいものをチョイスしています。
硬いベースプレートの場合
ボードへの力の伝わりが早く、クイックな反応を得られるのが硬いベースプレートです。ハイスピードでの滑走時やカービングターン、ハーフパイプ等、一瞬の力の伝達を必要とするジャンルで重宝します。ただし低速スピードや初心者にとっては、ビンディングに慣れるまでは思わぬボード加重を招いたり、足に疲れを感じたりするでしょう。