男子スロープスタイル・決勝進出ライダー
当サイトはこの選手たちを応援します!
サイト管理人が感じた彼らの素顔をご紹介
つい先ほど繰り広げられた男子スロープスタイル・予選ヒート。 世界各国から集まった29名のトップスノーボーダーのうち、8名の選手が足早に決勝進出を決めました。 その中に、サイト管理人が先シーズン、とあるビッグコンテストでのライダーケアという任務を通して知り合った、3名のライダーがいます。 「レッツゴースノーボード」では誠に勝手ながら、これらの選手をひたむきに応援したいと思います。 ここでは出会った時のエピソード、管理人が感じた彼らの素顔をご紹介します。
ピート・ピロイネン
(Peetu Piiroinen フィンランド)
勝つべくして勝てる周到さを持った男
ピートはとにかく真面目でした。礼儀正しく周囲にも気を配れるナイスガイでした。時間や自分の体調の管理が行き届いており、自分のモチベーションを本番でいい方向に向けるために、タイムスケジュールや自分のするべきことを細かに尋ねてきました。ライダーケアチームにも気を遣うのの、自分の空間というかオーラを持っており、もの静かにホテルのロビーでパソコンをいじるものの、他を寄せ付けない独特のオーラを持っていました。コンテストが終わり最後のパーティーが始まる前に、管理人の質問、というか「俺はこういう滑りがかっこいいと思うんだけどどう思う?」的な、ちょっとうっとおしい自己主張にも、笑顔で、「俺もそう思う」と優しく相づちを打ってくれるような、百戦錬磨の強者だけど優しい心をもった体は小さいけどハートは大きく強い、そんな印象を受けました。
イェルムンド・ ブ ラーテン
(Gjermund Braatenノルウェー)
どんな状況でも自分を乱さないライダー
コンテスト本番の前々日に、当日使用するための映像と写真を撮影するために、招待選手一行は札幌国際にバスで向かいました。その日は雪が深々と降り続くGOODパウダーデイ。早々にシューティングを終え、ライダー達はそれぞれが日本でのパウダーライディングを楽しんでいました。ライダーケアスタッフである僕の仕事は当然彼らのそばにいてケアをすること。要するに一緒に滑ってました。今回のスロープにも出場しているチャズ・グルデモンドは、ゴンドラから何やら飛べる地形を見つけたらしく、イェルムンドを引き連れその地形を攻めることに。僕もちゃっかり攻めました。このとき不運にも、イェルムンドは膝を痛めてしまい、皆心配しましたが当日までにきっちり回復させ、いつもと変わらぬ表情で大会に挑んでいました。常にクールで、どんな時も自分を取り乱さない。控え室では時間ギリギリまで他のライダーとゲームを楽しむものの、いざ板を履くと冷静沈着で精密機械のような、とてつもなく安定感のあるライダーだなと思いました。
ルーペ・トンテリ
(Roope Tonteri フィンランド)
真の一流とはこういう男を指すのだと思う
千歳空港に迎えにいった時のルーペは、長旅で疲れていたのかかなり無愛想でした。ライダーケアスタッフにも関わらず事前の勉強不足だった僕は、彼の名前を正しく呼ぶことが出来ず、思い切りふてくされた表情で自分のネイティブな発音を教えてきました。後で気付いたのですがどうやらルーペはここ何日かずっと風邪を引いていたらしく、ホテルでも食事会でも本当につらそうでした。毎年恒例の大会前のカラオケパーティーでは、体調が悪いのと、もともとシャイなせいでルーペはなかなかマイクを握りません。僕は選手たちを盛り上げようと、一緒になってステージに立ち、一緒に歌ったり踊ったりしていました。(自分の職務を越えはしゃぎすぎました。自分の最大の反省点でした)やがてルーペも緊張の面持ちでマイクを持ち、意を決してSING A SONGしました。その一曲で彼の何か吹っ切れたのか、それから数曲、他のライダー達とデュエットしてジャパニーズ・カラオケを楽しんでくれました。宴の後半、酔ったルーペが僕に「俺はお前に会えて本当に嬉しい」と言ってくれました。カラオケパーティーでの僕の言動は、致命的なほどお𠮟りを受けましたが、あの席でルーペが発した言葉は、本当に僕も嬉しかった。
この夜の無礼講がルーペの風邪を悪化させ、彼は公開練習をパスしてホテルでダウン。かなり自己嫌悪に落ちました。そして大会当日、病み上がりの彼はしっかりと仕事をこなしました。彼みたいな男こそ超一流のプロと呼ぶにふさわしいなと思いました。