パウダーを上手くすべるには①
滑る前に雪質をとことん予測しよう
どんなパウダーなのかイメージしてから滑る
パッと見では一面真っ白で、全てが同じようなパウダーに見えるバーンも、斜面によって雪質は驚くほど変わります。どんな雪質のパウダーなのかをイメージしてから滑り出すことは、安全にパウダーをたしなむ上でかなり重要になります。ここではやや湿ったパウダースノーを滑った豊間裕介くんの例をもとに、パウダーの質をどう推測していくべきかをご紹介します。
これから味わうパウダーはどんな雪?
DROP IN WITH JUMPING BY YUSUKE TOYOMA
AT HOKKAIDO BACK COUNTRY
雪は軽い?それとも重い?
パウダースノーの雪の善し悪しは、天候や気温、斜面の向き、風の強さなどで目まぐるしくチェンジしていきます。転ばず安定して下まで滑るには、パウダーのコンディションを把握しその雪質にあった滑り方が必要です。
もしも表面だけパウダーでその下に硬い雪があれば(いわゆる底づきパウダー)、板を強く踏みこんでターンしてしまうとエッジがすっぽ抜ける可能性があるし、反対に降ったばかりの軽すぎるパウダー(いわゆるゴボゴボパウダー)なら、スピードや浮力を得るための丁寧なボードさばきが必要です。
大切なのは滑る前に雪質を推測することで、最も手がかりを得やすい方法は、当日までの天気の動向をもとに、斜面の向きと雪質を照らし合わせることでしょう。
ウェットスノーを見越してやや後傾気味に、かつ強く踏み込んだパウターン
※このスライド写真を一枚ずつ見るにはこちら
ハイクアップ時とドロップイン直後にヒントを得る
豊間裕介(とよまゆうすけ)は大阪府出身の若手ライダーで、シーズン中はニセコエリアを中心にフリーライディングに没頭しています。
そんな彼が先シーズン刻んだ、どでかい弧のパウターンが上記のスライド写真です。
「ハイクアップしている時に足裏で何となく斜面の状態をチェックしています」
そう話すユウスケはこの日、自分が滑る斜面がやや水分を含んだ、ウエットスノーであることは事前に把握していたそうです。
「バフバフのパウダーではボードをなかなか踏み込めないけど、湿った雪なら板を強く踏めるので、後ろ足を強く踏み込む意識でターンしました。あと、湿った雪で板が詰まってからだが前に吹っ飛んでいかないように、ボードのやや後ろ気味に重心を置くことを考えていました」
またユウスケは、ドロップインした直後の数ターンから得られるフィーリングをもとに、どうやって滑るかを瞬時に判断するようにしているんだそうで、冒頭のジャンプドロップの写真も、あーやってわざと大胆に体を動かすことで、ウォーミングアップを兼ねながら雪質のヒントを得ているのだそうです。
豊間裕介(とよまゆうすけ)
大阪府出身
身長170cm 体重60kg
グーフィースタンス
スタンス幅 53.5cm 角度 前24° 後ろ-3°