レッツゴースノーボード

A BOTTOM TOO FAR 遠すぎた麓

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過酷な横乗りアドベンチャー

春になると雪はみるみる減っていき、やがて滑れなくなる。 でも斜面の雪が繋がっている限りは、固かろうがボコボコだろうがとりあえずはスノーボードができる。 途中で雪が途絶えても、徒歩やスケートボードで何とか下山は可能。大事なのは情熱(むしろ執念)と、一緒に登ってくれるバディ。でも今回のセッションは、正直しんどかったなー!っていうエピソードをどうぞ。
RIDER  天海洋 廣田鉄平 中井孝治 清原勇太 宮内皆人 
TEXT&PHOTO 堂前和也

稀に見る6月の残雪。

始めに説明しておくとこれは昨年の6月5日のお話。
6月と言ったら鯉のぼりなんてとうに片付けて、ジューンブライドに結婚する友達のことや、夏に使うサーフトランクスのことなんかを考える時期。スノーボードのスの字も出ないのは当たり前ですが、何と先シーズンのニセコは残雪の保存のされ方がある意味パーフェクトで、6月になっても「あれまだ滑れるんじゃない?」と思わせるほどの雪の量。そのせいか、近郊に住むスノーボード大好きなライダーが僕も含めて6人も一同に集結。スノーボード用具一式と、スケートボードにスニーカーを車に詰め込みいざ山へ向かいました。

とはいえ6月。薄曇りでも気温は20°を越える初夏の陽気。滑れると言っても全ての斜面ではなく、斜面の雪が繋がっていて現実的に滑れそうなのは、ちょうど街から見える、ピークから伸びるでっかい沢くらい。このセッションのメインターゲットをその沢に定めるものの、沢に行くまでも、沢が終わっても、十分な雪が無いことくらいは見なくても分かる。だからスノーシューは置いていき、代わりにスケートボードの出番なのでした。

一行は、かろうじて雪の残っている場所の近くに車を停めてアタック。んがしかし!ハイク斜面はやっぱり、街から見るよりも雪解けがさらに進んでいる。
登山道を行くか?雪道を歩くか?どこが雪繋がってるか?なんてアーでもコーでも言いながら、とりあえず登ってみなきゃ分からない。ここを登ろう!



しばらく歩いていくとあれれ、前方を見渡すと雪が、明らかにありません。これぞマーフィーの法則(「失敗する余地があるなら、失敗する。」)6人が知恵を出し合った結果、いやそんなに出し合ってないけど、見事に裏目に出た!今となってはそれが波瀾万丈のいい思い出になってるけど。
結局途中まで白い雪の上を歩くものの、案の定行き止まり。そこから約数十メートル、緑みなぎる薮の中を必死にもがいて直登!!ひょんな場所で己の運動能力を試され、やっとのことで登山道までトラバース成功!
このとき既に汗だく&薮の変な油。チョコとハルチョもおなかがすいたので一休み。

ここから山頂まではもうわずか!少し歩いて山の尾根に差し掛かります。
尾根に取りつき視界にどかんと現れたのが、このエリアを代表するかの有名な沢。でも雪の出番はとうに終わり、「待ってました」と生い茂る新緑の群れ。どんより曇り空の下でもはっきり分かる、白と緑のコントラストで何とも言えぬ切ない情景に。

あーいよいよシーズンも終わりだなーなんて感傷的になりながらも、とにかく尾根を進み、何はともあれ山頂まで到着!

このとき時刻は3時半。たっぷりかいた汗が山頂でみるみる冷えてきたので、ここでしばし休憩&レイヤーチェンジ。カメラをナカイに向けると、羊蹄山をバックにサービスポーズ。その羊蹄山も、まもなく雪が融け切ろうとしています。 ハルチョが大好きなチョコは、彼女の一瞬の隙をついて背後に回り、必殺技「嗅ぐ」をかまします!

というわけで、グチャグチャに汚れたブーツの底を雪で拭い取り、スノーボードを履いて、とにかく行けるところまで滑り降りることに。いよいよ、待ってましたの6月のフリーランのスタートです!

CAST RIDERS

廣田鉄平
どんな斜面も己のスタイルで自在に駆け抜ける、まるで狼のようなライダー。

天海洋
Mr.スムース。全てのジャンルを遊び心全開で楽しむ実力者。

中井孝治
実力、情熱、好奇心、時間の使い方。その全てにおいて一流のMrスノーボード。

清原勇太
パワフルかつテクニカルな滑り。自由奔放だがここ一番で頼れるナイスガイ。

宮内皆人
別名チョリス。いつも笑顔で心の優しいご機嫌な男の滑りはバネがありキレキレ。

チョコ(男の子)
チョリスの愛犬チョコ。その愛らしさにニセコでチョコファン急増中!?

ハルチョ(女の子)
ユウタの愛犬ハルチョ(本当はハル)。その麗しの美貌でチョコもハルが大好き

堂前和也
シーズン前にスケートボードを樹海に落とし、しばらくついたあだ名が「LOSTY」

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