テニスボールみたいな雪ってどんな雪??
一行はこれから滑るバーンの雪質を「テニスボール」と表現しています。
What is "Tennis ball snow"??
トップシーズンのこの辺りは、実に4mを越える雪が積もっています。その雪が春になり、気温が上昇して融雪が進み、シャバ雪になります。だいたい4月上旬くらいでしょうか?コーンスノーやフィルムクラストスノーと言った、いわゆる最高の春雪です。それこそパウダーに似た浮遊感、爽快感!
だけどそれを過ぎ、ある一定まで雪が融けると、今度は雪の奥底で数ヶ月間キープされてきた雪の芯がでてきます。この芯はとても固く、なかなか減らない。雨や風にさらされても、雪面が滑らかにはならず、むしろボコボコ具合が増してしまう。
要するに「テニスボールを雪面に無数に散りばめたような、固くてボコボコな雪」がテニスボールスノーなのでしょう。人によっては「ゴルフボール・スノー」という人も。
慎重かつ確かなエッジングでテニスボールスノーを踏みしめるユウタ。
シーズン中見慣れている沢の尾根はとっくに雪が解け、代わりにハイマツと笹薮が青々しく育っている。さらにその奥では夏の繁忙期に向け、各種レジャー施設の準備が始まっているが、こちらはかろうじてまだ雪景色。
チョコとハルチョは誰かがドロップするたびに、大はしゃぎで一緒にクルージング。
ある一定の場所まで行くとその人は見送って、斜面中腹で次にドロップする人を待っている。「次は誰が来るの?」なんて、時には斜面を駆け上がりながら、テニスボールスノーだろうが構わず斜面を自由自在にクルージング。うらやましい!
とにかく雪が続く限りはクルージングを楽しむ!ハードバーンでボードを弾かれやすいこの瞬間でも、上半身もしっかりかぶせてボトムターンをする洋くん。背中のバックにはスケートボードと、念のためのピッケルを背負いながら、新緑の手前のバックサイドの壁に狙いを定めています。
さっきまでは僕のすぐ横にいたチョコ。でもミナトがドロップする時には同じ高さまでハイクバックしている。何という運動量!ただし滑り出したらご主人なんておかまいなく、縦横無尽に斜面を駆け回る。でも常にご主人の近くにはいる。
ミナトがレイバックを仕掛けようとすると、一応何となくペースを合わせるものの、そんなにご主人を見ずに猛ダッシュ!すごく楽しそう!
さておき、汚れたテニスボールでも、広い斜面に覆われた、6月にしては十分すぎる積雪量で、スピード感ある爽快なクルージングが楽しめた!
いよいよ問題はここからです。一応まだ雪は繋がっていますが、この先はツリーラン。おそらく雪はもっと汚れているでしょう。はたしてどこまでスノーボードで滑り降りられるのか、とにかくここまで来たら行くっきゃない!