スノーボードのウエアの下には何を着る?(レイヤリングについて) | レッツゴースノーボード

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ウエアの下には何を着る?(レイヤリング)

ニセコのレジェンドに聞いた重ね着の話

レイヤリングとは「重ね着をする」ということです。どんなに高性能なアウターを着用しても、中に着るものがきちんとしていなければ、性能を100%発揮することが出来ません。反対に正しいレイヤリングが出来ていれば、雪上で思った以上に暖かさを感じるはずです。

※この記事はニセコに腰を据える百戦錬磨のレジェンド・高久智基さんにお話を聞きながら作成しました。SPECIAL THANKS :ザ・ノース・フェイスパウダーカンパニーガイド

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そもそもウエアの下には何を着るべき??

暑くても寒くても不快に感じる「湿気」の存在

レイヤリングの最大の目的はウエア内の「湿気」をいかにして逃がすかということです。「寒い」「暑い」と人間が感じる大きな要因は、ウエア内にたまった湿気です。外気温が高いときにウエア内に余計な湿気が溜まっていると、人間の肌はジメジメ、ベトベトさを感じ不快に思います。反対に外が寒い時にウエア内に汗(湿気)が残っていると、水分がやがて冷え、「寒い」と感じるのです。この余計な天敵「湿気」を取り除くことがレイヤリングを行う上での最大の利点なのです。

寒いのにたった3枚?それで本当に大丈夫なの?

北海道のようなとびきり寒い場所でも、基本的にウエアの下には2枚しか着ないことがほとんどです。「それだけで本当に大丈夫なの?」と思う方も多いと思いますが、それぞれのレイヤリングをしっかり行えば、十分な保温力を得ることが出来るのです。

①ファーストレイヤー(ベースレイヤー)について

肌に直接触れる、レイヤリングの必需品!

ウエア内の一番下に着用し、直接肌に触れるのがベースレイヤーです。ベースレイヤーの最大の目的は「吸湿速乾性」すなわち「汗を吸い取り素早く乾かすこと」。多くのベースレイヤーはポリエステル素材を基礎に作られています。きちんとしたファーストレイヤーを身につけていれば、汗をかいてもすぐ乾き、肌は常にドライに保たれ快適に過ごすことが出来るはずです。 例えばこれがロンTのような綿素材の場合、汗が逃げずにやがて冷え、体温は低下してしまうでしょう。

様々なベースレイヤー(ブランド:the NORTH FACE)
左:定番のポリエステル素材を多用したベーシックなベースレイヤー。
中:ポリエステルに指定外繊維(マキシフレッシュ)を配合し保温力をさらに高めている。
右:メリノウールとポリエステルを交編し薄手でも保温性が高い。湿度をコントロールするウールの働きで、乾燥した日も快適さが持続。

②ミッドレイヤー(セカンドレイヤー)について

ベースレイヤーの上に着るのがセカンドレイヤー(ミッドレイヤー)です。2番目に着るレイヤーの果たす役割は、ファーストレイヤーが取り除いた湿気を引き続き外側へ逃がしながらも、保温力をさらにつけ体温の調節を図ること。代表的なアイテムにフリースやインナーダウンが挙げられます。

ミッドレイヤーの代表的なアイテム(ブランド:the NORTH FACE)
左:ミッドレイヤーの主軸として、一枚は持っておくべきフリース素材
中:抜群の暖かさ、軽さ、着心地を誇るインナーダウン。
右:アウターを脱ぐ陽気でも、フリースでは心細い。インナーダウンは濡らしたくない。そんなときに重宝するウインドストッパーは、防水性も兼ね備えている。

ミッドレイヤーはどう使い分ける?

今回取材をお願いした高久智基さんは、滑るコンディションに合わせてミッドレイヤーを使い分けているそうです。 例えばゲレンデを滑る時、リフトを使えば汗をそんなにかかないので、ウエアの下には保温力の高いインナーダウンをチョイスし、がんがんハイクアップを行うバックカントリーでは化繊素材(次項で説明)のものをチョイスして滑っているそう。いわゆるダウン素材のメリットは暖かさと特有の柔らかい着心地ですが、ダウン素材は極端に濡れるとその機能が半減してしまうというデメリットもあります。そこでバックカントリーのような、ハイクをしたり外気温が変わりやすい環境の中では、ミッドレイヤーをプリマロフトのような化繊素材にチェンジするというのです。

ハイテク化繊素材「プリマロフト」って何?

プリマロフトはU.S.ARMY(米軍)から、寝袋用の羽毛原料に替わる素材の開発の要請を受けて誕生したハイテク素材で、今でもNATO軍が使用しています。プリマロフトは、ハイテク素材でありながら、ふんわり優しい感触と抜群の保温力、やわらかな風合いと軽さを兼ね備えています。その秘密は、髪の毛の50分の1という超極細繊維。繊維の間に出来る無数のエアポケットが、暖かい空気をしっかりと溜め込んでくれるのです。ダウン素材並みの保温力に加えて、濡れたときの機能性の低下も少ないので、体力消費も少なくトモキさんの言うようにバックカントリーライドにはプリマロフトのような化繊素材が適しているのでしょう。

③アウターレイヤー(アウターシェル)について

アウターレイヤーの代表的なアイテム(ブランド:the NORTH FACE)
左:ノースフェイスのRTGシリーズは無敵の3レイヤージャケット。素材は強度と軽さを持ち併せたゴアテックス®プロを使用。トモキさんもこれを着ていました。
中:コストパフォーマンスの高い2レイヤージャケットにも防水透湿性があるので、しっかりレイヤリングを行えば快適!2レイヤーは信頼あるブランドをチョイスしよう。
右:保温力抜群のダウンジャケットは厳冬期のナイター滑走や、動かないでスキー場にいる時(例えば大会観戦など)にかなり大活躍する。

いいウエアは濡れてもいずれドライになる!

正しいレイヤリングの知識をもってファーストレイヤーとセカンドレイヤーを選んだら、いよいよアウターレイヤー(ウエア)の出番です。どうせだったら防水、防風、透湿性の高い、いいウエアを身に着けたいものですね。トモキさん個人的にも、アウターレイヤーには3レイヤーの透湿性の高いものを選んでいるそうです。※アウターレイヤーについてはこちら
では透湿性や耐水圧の違いは滑走中のどんなときに影響してくるのでしょうか?
例えばより良い雪を求めてハイクアップを行っている時、アウターも他のレイヤーと同じように、透湿性の高いものであれば多少の汗をかいてもウエア内の湿気は外に逃げてくれます。
ただし雪上キャンプなどではウエア自体も相当過酷な状況にさらされることでしょう。
ハイク中に汗をかいたり、雪がしんしんと降り積もったりして、やがてウエアがビショビショになってしまった、なんてことは日常茶飯事です。そんな時に透湿性のずば抜けたウエアは抜群の威力を発揮するそうです。ウエア内部が濡れていても気にせず着ていれば、やがて湿気が抜けどんどんドライになるのです。

追記:パウダーで威力を発揮するビブパンツ

パウダーでは何をするにも手間がかかります。深雪で転んだら起き上がるだけでもひと苦労しますし、ポケットから何かを取り出すのも一筋縄にはいきません。
「3レイヤーやゴアテックス、透湿性も大事だけど、俺は断然ビブパンツをおすすめするよ」
ビブパンツは胸当てのついたパンツのことです。ジャケットの下にビブパンツを合わせれば、お尻に雪が入ることが無くなるでしょう。腰回りもすっきりしてあらゆる行動がスムーズに行えるはずです。

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