スノーボードクロスのコースの攻略法
コースのアイテムはどう攻めればいいの?
その激しさから「雪上のモトクロス」と呼ばれるスノーボードクロス。起伏や障害物のあるコースで、そもそも選手達はボードをどのようにコントロールしているのでしょう?ここでは当サイトのハウツー記事も交えて、ボーダークロスコースを上手く滑るのに必要な基本をご紹介します。(あくまで基本です)
あらためてソチ五輪のスノーボードクロスのコース
出典:FISFISから正式発表された、ソチ五輪スノーボードクロスのコース。
全長1250mのコース内には8つのバンクをはじめウェーブやキッカーが大量にちりばめられています。このコースを6名のスノーボーダーが同時に滑り、上位3名が次のラウンドに進んでいくという単純明快なルール!選手達はジャンプやターン、スピードコントロールをしながら、すぐ隣の選手との駆け引きや小競り合いも行いゴールを目指します。
ウェーブは加重抜重を交互に
今回のソチ五輪スノーボードクロスは、コースに無数のウェーブがちりばめられています。何もせずウェーブに突っ込むと、意図せずボードがジャンプしてしまい、転倒や大幅なタイムロスに繋がります。そこで選手達はこのウェーブの連続を、パンピングして通過していきます。「パンピング」とは、斜面に合わせて上半身や下半身を使い、タイミングよく板に力を加えて、ボードを加速させていくことです。 上りの時は力を上へ逃し、頂点から下りにかけては力を加え、ボードを雪面に押さえつけるようにして滑っていきます。当然、この凹凸に体がついていけなくなると、ボードはコントロールを失い体は吹っ飛ばされてしまいます。選手達はこのパンピングを精度を高く、根気よく続けることでスピードを加速させていきます。
関連記事:ウェーブを滑ろう
バンクでスピードはさらに加速
ソチ五輪のスノーボードクロスコースには今回8つのバンクがあると公表されています。バンクとは雪で作られたカーブセクションのこと。バンクで上手くスピードを付けるには、正確なライン取りと、ここでもパンピングが要求されます。進入角度を誤ると体にG(重力)がかかり、上手くスピードを伸ばすことができません。バンクをスムーズに抜けられるラインを見極め、常に先へ先へ視線を送って上半身を先行させ、次いで下半身でボードを踏み込むことで、バンクにへばりついているボードはどんどん加速していくでしょう。
ただ、ウェーブと違い難しいところは、バンクはラインが狭く、油断すると他の選手とかぶるということ。他の選手に接触したり妨害されないように注意を払いながら先へと進んでいきます。
関連記事:バンクに入ろう
キッカーは上というより前に飛ぶ
ジャンプが好きな人は、目の前にキッカーがあると「何の技やろう」とか「大きく飛びたい。」と思うでしょう。ただしスノーボードクロスのキッカーでは、トリックをする必要も、高く飛ぶ必要もありません。むしろ、スピードをロスしないように着地斜度に合わせたオーリーのさじ加減が必要になってきます。
着地まで届くのであれば、余計なオーリーは必要ないのかもしれません。逆にオーリーをかけすぎると、余計な高さが出てしまい着地にも衝撃が加わります。オリンピックのコースとなればキッカーも大きなサイズになってくるので全くオーリーをかけないわけにもいきませんが、華やかに魅せるというよりはスピードを殺さず前へ飛んでいくスキルが必要になってくるでしょう。
ちなみに写真上はキッカーでオーリーをフルにかけた場合。ボーダークロスではせっかくのスピードが上に逃げてしまい、余計なタイムロスになるでしょう。写真下はキッカーをなるべく飛ばずに通過した場合。オリンピックではこれでは着地に届きませんが、この2つの写真の中間くらいの、絶妙な飛び加減がスノーボードクロスのキッカーに要求されるでしょう。
関連記事①:キッカーをなるべく飛ばずに通過する
関連記事②:キッカーでオーリーをかける