スタンス幅や角度をいじると滑りのどこがどう変わる?
幅や角度の調整によるライディングの変化は?
ここでは具体的に、スタンス幅を広げたり狭めたりすると滑りはどうなるか、スタンス角度のどこをどういじれば、滑りのどこがどう影響してくるのかを、ごく一般的な観点からご紹介します。スタンスを決めるのイメージが全く湧かない方は、関連記事「代表的なスタンスのセッティング例まとめ」を見ながら、下記を参考に微調整してみてください。
※レギュラー?グーフィー?滑る向き(スタンス)を決める
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スタンス幅について
スタンス幅を広げるとどうなる?
当然のことですが、ビンディング間の幅を広げるとノーズ幅、テール幅は狭くなります。そのため板の回転性はよくなりノーズとテールを使いやすくなるので、グラトリなど低速時のボードの操作性はアップするでしょう。スピンなどのアクションではスノーボードを軽く感じることができるはずです。また重心は低くなり、ジャンプの着地では踏ん張りがきくようになるほか、トリックもカッコよく見えますが、一方で膝の屈伸(クッション)は使いづらくなるので、ターン時のボードへの加重抜重のタイミングがやや取りにくくなり、膝への負担も大きくなります。
グラトリ、キッカー、ジブ、パークライドなどに重きを置くフリースタイラーは、ご自身の膝への負担も考慮しながら、スタンス幅を少しづつ広げていってもいいかもしれません。
スタンス幅を狭めるとどうなる?
反対にビンディング同士の幅を狭めると、今度は膝を自由に曲げやすくなって、下半身を使ったボードへの加重抜重を行ないやすくなるでしょう。特にターン時にはエッジングを行ないやすくなるほか、後ろ足を使ってボードを前へ踏み込みやすくなり、ボード全体もしならせやすくなるので、カービングターンやフリーラン、パウダーライドでは、やや狭めのスタンス幅は何かと有利に働くはずです。ただしスタンス幅を狭めすぎるとスノーボードが長く感じ、前後左右のバランスを取りづらくなる他、重心も高くなるので慣れないうちはボードコントロールが不安定になるでしょう。
スタンス角度について
スタンス角度は、各足の角度のバランスや、スタンス幅との兼ね合いによりフィーリングが変わってきますが、ここでは前足、後ろ足それぞれの項目に分け、どこをどういじれば滑りがどう変わってくるかをご紹介します。
前足
角度を前に広げるとどうなる?
進行方向に対して身体が前を向きやすくなり、特に前肩が前に開きやすくなるので、ターンの時に先行動作のきっかけを掴みやすくなるでしょう。同時に前方への重心移動も行ないやすくなり、ということは重心も遅れにくくなるので、スピードが出た時の安心感、安定感はアップするはずです。特にノーズが太い板やノーズ側が長いセッティングの時などは、前足の角度を前に振っておいた方が、ボードの前側を押さえつけやすくなります。フリーランやターン、パウダーに重きを置く方は前足のアングルを広げておいた方がメリットが多いとおもいます。
角度幅を少なめにするとどうなる?
反対に前足の角度幅を狭めていくと今度はフリースタイルな動きを行ないやすくなるでしょう。具体的にはグラトリ、レール、ジブなどでボードをプレスしやすくなり、特にボードを進行方向に対して真横に向けた時に、雪面もしくはアイテムに板を加重しやすくなります。スイッチトリックの踏み切りも角度幅が少ない分やりやすくなるでしょう。
後ろ足
角度を前に広げるとどうなる?
後ろ足の角度を前に振れば振るほど、膝を曲げた時に板の前方向に加重しやすくなるため、ボードを雪面に強く抑えつけて滑ることができるでしょう。しばらくはメインのスタンスでしか滑らない初心者の方やスピードを求める方は後ろ足の角度をプラス方向に大きく振ってもよいでしょう。実際にアルペンレーサーは前足後ろ足を前方へかなり大きく振っています。ただし前足はもちろん後ろ足をプラス方向へ強く振ってしまうと、フェイキーになった時に違和感、滑りにくさも生じてきます。
0°近辺では
フリーランでの安定感を意識しながらも、ジャンプでの空中姿勢やスイッチトリックの出しやすさを考慮するならば、後ろ足を3°〜−3°程度と振り幅を少なめに設定することで、あらゆるシチュエーションに対応できるオールマイティな滑りを望めるでしょう。フリースタイルとフリーライドのどちらも考慮したい方にオススメのアングルレンジです。
マイナス方向(ダックスタンス)
後ろ足をマイナス方向へ振っていけばいくほど、フェイキーラン、スイッチスタンスでのアクションがやりやすくなります。レギュラーと同じようにフェイキーも滑りたい、どっちのスタンスか分からないくらい器用に滑りたい、どうしてもマスターしたいスイッチトリックがある、そんな場合は後ろ足をマイナス方向に大きく振って、メインスタンスのフィーリングとの誤差を埋めるとよいでしょう。ただし、ダックスタンスが強すぎると膝や腰への負担が大きくなる他、カービングターンでエッジがずれやすくなり、フリーランやパウダーでの操作が難しくなってくるでしょう。
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