フラットロッカー?ハイブリッドキャンバー?最新のキャンバー構造まとめ
続々と開発される最新キャンバーテクノロジー
前項ではキャンバー、ロッカー、フラット、ダブルキャンバーについて、それぞれの特徴や違いをご紹介しましたが、ここではその他の最新キャンバー構造をご紹介します。
※キャンバー、ロッカー、フラット、ダブルキャンバーをおさらいする
※ノーマルキャンバーとローキャンバー、どう違う?
台形型キャンバー
フリーライドもパークライドも得意な新型キャンバー構造
キャンバーの上部(センター部分)がフラットに設計され、地面との隙間がちょうど台形の形をしたキャンバー構造です。NITROやHOLIDAY、DEATHLABELなどのメーカーからこのタイプのボードがリリースされています。この台形型のキャンバーに加重するとボードがフラットになり、エッジのしっかり効いたズレのないターンが可能になります。ソール面全体で雪面をとらえるような感じで、パウダーでもしっかり浮いてくれます。反対に板から体重を抜くと、足下がキャンバーに戻って遊びが生まれて、次の動作へのタイミングが取りやすくなります。ボードの回転性もよく、ルース感もあるので、フリーランで遊ぶだけでなく、パークでのトリックやグラトリにも存分に威力を発揮してくれます。「キャンバーにフラットのメリットを取り入れた」といった構造で、サイト管理人もこの構造のボードを好んで乗っています。
フラットロッカー
パウダーもグラトリも思いのまま。
ボードのセンター部分はフラット構造で、両足近辺からノーズ、テールにかけてロッカーになっていくのがフラットロッカーです。NITROやK2,CAPITAなど多くのメーカーのモデルでこのタイプの構造を採用しています。フラット構造よりルーズで回転性も高く、またロッカー構造よりも安定したライディングが可能です。まさに「フラットとロッカーのいいとこどり」といった構造です。
ノーズ、テール部分の余計な引っ掛かりがないので、グラトリやパークライドで思う存分にトリックを仕掛けられるほか、パウダーを滑るときにも抜群の浮力を発揮します。
NITROの鈴木裕司くんもこの構造を取り入れた「LOVE」というボードを愛用している他、K2の天海洋くんが乗っている「PEACE KEEPER」もこのタイプのボードです。
キャンバー + 両端ロッカー
(ハイブリッドボード)
エッジグリップとルーズ感を両立させた、欲張りハイブリッド
両足間にキャンバーがあり、ノーズ、テールに向かうにつれ板が反っていく構造です。前述のフラットロッカーに似ていますが、足下のキャンバーがより安定感のあるライディングを可能にします。南谷孝太郎君の愛用するCAPITA TOTALLY FK'N AWESOME!がちょうどこのタイプの構造をしています。パウダーで浮き、トリックの回転性も高いまま、高速滑走時の確かなグリップ力と反発力をも得られる、欲張りなハイブリッド構造です。
※おすすめのハイブリッドキャンバーボードまとめ(15-16最新モデル)
「キャンバー + 両端フラット&ロッカー」というのもある
キャンバーと両端のロッカーとの間に、フラットな部分を取り入れたハイブリッド構造もあります(南谷孝太郎君の乗るCAPITA DEFFENDERS OF AWESOMEがこのタイプ)。
この他にも「キャンバーと両端フラットのみ」というタイプもあります(清原勇太君が乗るCAPITA THE OUTSIDERがこのタイプ)。何にせよノーズとテールの始まり付近にフラットないしはロッカーの細工をすることで、ターン前半の余計な引っ掛かりを大幅に抑えてくれ、ボードの回転性も高めてくれます。フリーランで大胆な板さばきができ、しっかりエッジも粘ってくれ、それでいてトリックもスムーズに行える、オールラウンドに楽しめるキャンバー構造です。
フラット&ダブルキャンバー
ダブルキャンバーにさらなる安定感を
両足の下に二つのキャンバーを設け、ボードのセンター付近をフラット構造にした、新しいダブルキャンバー構造です。HEADのHYBRID CAMBA DCTや011 ARTISTICのFLAT SPIN CAMBERがこのタイプの構造をしています。強い回転力と高反発を備えたダブルキャンバーボードに、スムーズな操作性、安定感を求めたキャンバー形状です。パウダーでの浮力やグラトリのしやすさを維持したまま、ターンやフリーランでの粘りあるエッジグリップや直進安定性が期待されるでしょう。