トッププロから学ぶスノーボード上達の心得
一流には一流たる理由がある。
「スノーボードが上手くなるにはどうしたらいい?」上達のための心意気や向き合い方を考えていくコーナー。今回は「トップライダーから学ぶ上達の心得」です。
サイト管理人は先シーズンありがたいことに、日本を代表するトップスノーボーダー達と一緒に山に登ったり、セッションしたりする機会に恵まれました。そんなトッププロ達と雪山で接する中で、スキルはもちろんのこと、自分の滑りにもプラスにな様々な心得を学ばせてもらった気がします。
ここではそんな日本を代表するトップライダーの、こんなところを盗めば(参考にすれば)自分の滑りが変わるかも知れないあれこれをご紹介します。
①行動が早い
とにかく一流のプロライダーたちは、オンスノーでの行動が抜群に早いです。滑る場所に到着してから実際に滑り出すまでの時間が圧倒的に短い。
「別に用意なんて自分のペースでゆっくりしたっていいじゃないか」そう考える人も多いと思いますが、考え方によっては「一分一秒でも早く支度が済めば、それだけ滑る時間が長くなる」。結果として心にも余裕が生まれ、スノーボードにもたくさん集中できるはずです。では彼らの行動は、どうしてそんなに早いのでしょうか?
②段取りがいい
トッププロたちの行動が早いのは、何と言っても当日までの段取りがしっかりしているからに他なりません。「明日どこに行けばいい雪を滑れるか?」彼らは天気予報を常にチェックしながら、当日の空模様や雪質をかなり熱心に推測しています。それを自分のやりたいスノーボードに当てはめ、滑る場所を決めていく。
いい天気、いい雪で滑ることができればそれだけでいいパフォーマンスにも繋がり、上達がグッと近づきます。
また、「明日どこで何をするか」のイメージも鮮明にできあがっており、自分がするライドのために必要なことを前日から準備しています。だから当日パッパと行動が早いのだと思います。
③前向きな想像力
天気が悪い。雪が悪い。そんな時でもトッププロたちは常にベストを尽くそうとします。思わずテンションがガタ落ちしてしまいそうなバッド・コンディションでも、柔軟な発想力と前向きな姿勢で実りあるグッドセッションに変えてしまいます。もちろん根底にあるのはその卓越したスノーボードのスキルとセンスでしょう。一つのジャンルしか得意でなかったり、滑りの技術に得手不得手があると、悪状況下では応用が利きません。日頃からスノーボードのあらゆるジャンルを隔たりなく楽しみ、スキルアップに励んでいるからこそ、ここぞという時にも最大限のパフォーマンスを発揮できるのでしょう。
④決断力が早い
ダメなときはダメ。その見切りの早さがトッププロ達は非常に長けている気がします。もちろんギリギリまで、「その日その時出来ること」を考えていますが、特にバックカントリーエリアでは時に勇気ある撤退を迫られる場合があります。朝イチはあんなにやる気満々だったのに、あれ?いつのまにか「もう辞めよう、帰ろう」って言っていることもしばしば。常に危険と隣り合わせにいるプロ達にとって、気持ちの切り替えは不慮のケガに巻き込まれないための自己防衛策なのでしょう。
⑤自分に厳しい
「できれば自分の好きなスノーボードを自由に楽しみたい」多くのトッププロたちがおそらくそう思っているはずです。ただし「楽しむスノーボード」と「魅せるスノーボード」はいささか違いがあります。楽しむことを魅せるという表現方法もありますが、極限のパフォーマンスを映像や写真に収めたり、コンテストで披露したりするためには、自分の単純な楽しみは後回しにして、やらなければならないことがたくさんあります。魅せるため、勝つために己を高め日々挑戦していく。そんな状況をむしろ楽しんでいるかのようにも見えます。ただ、撮影の帰り道やカメラの回っていない時などは「ひゃっほい」と本当に楽しそうに滑っています。(当サイトはそんな彼らの微笑ましい瞬間こそ狙っています)
⑥スノーボードが大好き
トッププロ達はおそらく、みなさんが思っている以上にスノーボードに対してどん欲に向き合っています。時に泥臭く、悔しい想いもしながら、最高のパフォーマンスのために精一杯の努力をしています。巷ではよく「好きなことを仕事にする辛さ」と言った類いの議論を耳にします。好きなことで食っていこうとするのはとても大変なことです。ただ、自分が接してきたトッププロ達は、「その議論を超越してしまうくらい、スノーボードが大好き」という境地に立っている気がします。
サイト管理人も「レッツゴースノーボード」なんてウェブサイトを作っているぐらいなので、どちらかというとスノーボードが好きな人の部類に入るでしょうが、彼らの情熱にはかなわないなと思うことがあります。いや、「スノーボード愛」の度合いはもしかしたら変わらないのかもしれません。違うのはその情熱を行動に移すエネルギーの差だと思います。好きなことを好きだけで終わらせず、悔いのないようにどう取り組んでいくか?そのパワーこそ、トッププロから学ぶべき神髄なのではないかと思います。